しかし、空中写真を見ていて、ふと気が付きました。
国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省 昭和55年岡山より。
岡山臨港鉄道倉庫に至った線路のちょうど直線の延長線上に、岡山県営上屋があります。
しかも、東側の搬入口がちょうど直線の延長線上です。
ここからは、あくまでもボクの推測ですが、岡山県営上屋が建設された当時、岡山臨港鉄道の線路を岡山県営上屋まで延伸する計画があったのではないだろうか?
岡山県備前県民局岡山港管理事務所ホームページに「岡山港のあゆみ」というページがあります。
岡山港県営上屋は昭和42年~昭和45年にかけて建設されました。
ちなみに県での正式名称は「福島地区A~C棟上屋」というようです。
岡山県岡山港管理事務所ホームページ
実は、ボクの父親は、岡山県営上屋の建設時、電気設備工事に携わっていました。
しかも、若き日の父は、屋根上での作業中に出来立てホヤホヤのスレート屋根を踏み抜いて破ってしまう、という大失敗をしたそうです。
父が落下していたら、あわや大惨事、ボクもこの世に生まれていなかったという・・・。
そんな逸話があるので、ボクが岡山県営上屋について、ここまで熱く語っているのですがwww
岡山県営上屋「福島A棟」2007年撮影
左が東側で、岡山臨港鉄道倉庫からの直線上になる。
県営上屋建設計画段階では、岡山臨港鉄道による貨物の輸送を想定していましたが、その後、鉄道貨物が衰退し、トラック輸送が主流となる中で、結果として線路が敷設されなかったのではないでしょうか。
岡山臨港鉄道本線の終端にも倉庫があり、こちらは臨港鉄道の側線が実際に敷設されました。
しかし、晩年は、全く貨車が入っていませんでした。
岡山臨港鉄道本線の末端部分は、ネコ・パブリッシング刊
「新・消えた轍9 中国」の岡山臨港鉄道のページに写真があります。
最初の文章で紹介しましたが、三井製糖引込線の末端もかなり長い距離で延伸された線路が敷設されていましたが、恐らくあまり使用実績が無いまま廃止になったと思われます。
県営上屋までの直線上には、岡山臨港鉄道現役時代から現役建築用の海砂を荷揚げする、旧瀬戸内海砂利、現三洋建材の大きな砂山があり、現実的に線路計画地は分断されていました。
三洋建材のショベルローダー 2007年撮影
瀬戸内海砂利時代は、もっと巨大なショベルローダーがいて、幼少時代のボクは、その働く姿に見とれていましたwww
その後、県営上屋までの海側には、玉島海運、日本通運の敷地が並び、荷役用のステキなクレーンが並んでいます。
県営上屋の一番南の端は、岡山港湾運送。
最初にお話した、三井製糖の原料糖を荷揚げする、岡山港でも一番立派なクレーンが、天を貫く勢いで、堂々と設置されています。
岡山県営上屋「福島C棟」と岡山港湾運送クレーン
もしも、ここに線路があったなら・・・
例えば、港町横浜の高島貨物駅の全盛期の空中写真を見てみましょう。
ちなみに、高島貨物駅は、今の横浜駅東口からみなとみらいに至る場所、ちょうどみなとみらい線の新高島駅や109シネマズからアンパンマンミュージアムに至る辺りにありました。
高島機関区を併設した広大な貨物駅で、辺りの埠頭の隅々に何本も貨物側線が伸びていました。
今は、たった一本の貨物線が走るのみ、みなとみらいの再開発で周辺は、見事に変貌しています。
国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省 昭和52年横浜より。
もし、岡山臨港鉄道が岡山県営上屋倉庫まで延伸されていたら、横浜ほどの規模ではないものの、似たような光景が展開されていたのかもしれません。
岡山県営上屋「福島A棟」2007年撮影
自分の推測が現実なら、カラーコーンが倒れている辺りに線路が計画されていて、荷物の搬入口に貨車が横付けされているであろう。。。
実際、岡山県営上屋への搬入は、海側の搬入口を中心に使われており、搬入口前は舗装もされていないため、「ここは昔の鉄道用搬入口だったんだよ」と言われても信じてしまいそうな雰囲気があります。
(我々廃線鉄道跡をたくさん見た者が感じるいわゆる「線路の臭い」と言うヤツwww)
それに、岡山臨港鉄道があったせいか、いまでも岡山港周辺はたくさんの倉庫代わりの貨車の廃車体があります。
岡山県営上屋「福島A棟」前の白く塗られたワラ1と思われる廃車体。
日本通運敷地にあるワム80000杯車体。
ワム86867番なので、1967年製。走行安定対策前の比較的初期車にあたる。
現実の鉄道貨物が衰退し、岡山臨港鉄道が廃止された今、敷設されなかった線路がある光景を思い浮かべる・・・
嗚呼、なんという遠く遠い、(そして、まったく無駄なwww)想像なのでしょう!!!
計画のみで敷設されなかった鉄道は全国にたくさんあります。
そんな幻の鉄道を求める楽しさを、岡山臨港鉄道と県営上屋というミクロな視点で書いてみました。
ボクの推測と夢想ごっこにお付き合いいただいた文章でしたが、いかがでしょう?
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